いまこそ女性活躍社会を考えよう
いまこそ女性活躍社会を考えよう
女性が働きたいときにすぐ働けるように「女性活躍社会」という運動が実施された。
これは女性特有のライフイベントである出産などで働けなくなった女性や、育児・介護を終えた女性などに直接働きかける働き方改革のひとつだ。
こうした運動があるにも関わらず、実際はというと、現状として都内を中心とした大都市、地方都市ともに保育園の数も足りてないし、待機児童の数も相当である。
働きたいのに子どもを預ける場所がない。保育園は就労してないと入れない。(多くの市は保育園入園を希望する家庭を様々な条件で点数化し、その点数が高い家庭の児童から優遇されるため、親の就労は最低条件になる。)まさに堂々巡りで、この日本は働きたい母親に優しくない。
これが日本の現状である
万が一保育園に預けることができて、仕事ができるようになったとしても、仕事と育児、そして家事、この3つの両立が重くのし掛かってくる。
いやいや夫婦がふたりいるなら家事や育児を分担すればいいじゃあないか。そう思う人もいるだろう。それがそう簡単にいかないのである。なぜなら一番子育てが大変なとき、それは子どもが生まれてから三年間であるが、今の社会ではその間父親が積極的に動いてくれることを期待できないからだ。
日本では、男性が育休を取得している割合は上昇傾向ではあるものの相変わらず低水準で、そもそも男性が外で仕事をして女性が家事や育児をするという平時の固定的的な性別役割意識が未だ人々の根底にあるように思う。
なぜ男性は育休を取りたがらないのか。それは父親が育休を取ると収入や会社での地位が下がるという意識があり、なおかつ職場の環境も変えてしまうことが尻込みする理由だろう。確かに収入は減る。しかし雇用保険に入っていれば育休開始前の給与6割以上を給付してくれるし、社会保険料の免除と税金の減額などが認められ実質3割以上の負担が軽減される。すなわち育休開始前と比べて収入は1割程度減するだけだ。贅沢しなければ余裕で何とかなる金額である。そもそも男性に対して育休を取らせてくれない会社だって現在には多数存在する。
また、女性活躍加速のための重点方針2020(令和2年7月1日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)の中に、「あらゆる分野における女性の活躍項目」の項目で男性の暮らし方・意識の変革という計画がある。これは女性活躍にはその前提として両立支援が不可欠なため、女性が就業準備できるその環境を整えましょうという計画だ。その中の一つとしてまず父親の意識そのものを変えていきましょう、という計画が取り組まれているという訳だ。
こういう計画をしていかなければ男性および社会が変わらないという考え方そのものにも強い違和感を覚えるが、そこに夫婦の意識調査として「家事・育児を夫婦で『半分ずつ分担したい』という考え方は男女を問わず約6割となっているものの、共働き世帯の男性8割は家事を行わず、約7割が育児を行っていない」と記されており、夫婦間の意識と実際がこんなにも異なっていることも驚きである。
これでは男性がせっかく育休を取っても意味がない。それならばベビーシッター制度や家事代行サービスを充実させてくれた方がよっぽどいいだろう。
しかしこうやって男性の意識は改革が必要とし、実際に公務員の男性などに育休を取ってもらおうとする方針があるし、父親学級など開かれているので、それらが社会に浸透するにはまだ時間がかかるだろうが、そう遠くない未来ではあるのかもしれない。
ここで勘違いしないでほしいのは、女性はもっと世に出て働くべきだと訴えているのではなく、私は女性が働くこと、女性が復帰しやすくなる環境をもっと早急に整えるべきだと訴えているのだ。
女性には女性特有の繊細さと柔軟さ、そして丁寧さがあり、その視点には我々男性の思いつかない発想や心遣いが盛り込まれている。だからこそ家事や育児は女性の方が向いていると言われているのだろうが、その視点は何もそこだけに留まらなくともよく、仕事の場合でも同じように女性特有の視点が必要になるときが来るだろう。
お子さんがいるお父さんへ
特にこの新型コロナウイルスが流行し、ありとあらゆる常識が目まぐるしく変わっていった現在において、男性だけでは社会が回らない。女性の働き手が今後ますます必要になってくるだろう。今年、私自身が特に考えさせられたのは、皆が自粛モードになりテレワークが増え、結果的に男性が家にいる時間が増えたことだ。家族と過ごす時間が増えて、たまには家事を手伝ってみようとか、子どものお弁当を作ってみようとか、そういう機会が増えた。男性が家事や育児の楽しさに気付くことができたことは新しい気づきだった。
今後、日本にテレワークが普及、定着していく可能性は十分にある。そうなってくると男性が外に働きにいくという意識も薄れてくるかもしれない。そうなるとどっちがどうとか、そういう性別的役割もなくなる。
個人的に「イクメン」という言葉もなくなればいいなと思っている。育児をするのは当たり前のことなのだから、育児をして評価されるなんてことは必要ないと思う。
女性を必要としている企業、働き口はたくさんある。そこに至るまでが問題で、なかなかどうしてスムーズでない。職業紹介を名乗っている私としては一刻も早くその問題が解決し、より多くの女性が輝ける社会であってほしい。
もちろん弊社としても、従業員には子育ては積極的に参加してほしいと考えているので、育休取得は男女共に社員の権利として使ってもらい、家族を大切にすることで成長していく企業であり続ける。
株式会社SGI
代表取締役 高本佳明
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