「その会社に入りたい理由」
転職というものが珍しくないものとなった現在は、より自分らしく、より自分に合った仕事ができる所を選ぶ世の中になった。
さて、その転職を行うために必ず用意しなければならないものがある。それが志望動機だ。別に転職だけでなく、新卒で就職活動する場合にも必要なものである。
たまに志望動機の書き方がよくわからないという声を聞くので、今日はそれについて書いていこう。
志望動機を書く前に、まずどのようなことを志望動機にするか、具体的な案を捻り出してほしい。
志望動機とはつまり、「その会社に入りたい理由」である。
多くの会社がある中で、なぜこの会社を選んだのか。
どうしてこの会社がよかったのか。
それを書いて企業側に伝えるスペースである。
なるべくポジティブな理由を選ぶとグッドであり、その会社が求めている人材に自分を持っていくことができるとベストである。まれに、どうしてこの会社がよかったのか、その理由が自分でもわからず、書けないという人がいる。また、働かなきゃいけないから適当に会社を選んだという人もいる。
それはそれで仕方ないことなのだが、そういう方は無理に理由を探すよりも、原点として志望動機を探すために、頭の上に常にアンテナを張っておくことをオススメしたい。
頭の上にアンテナを張るとは、つまり色んなことに興味を持つということである。それはどんな小さなことでもいい。例えばスマホという機械の中身はどんな風になっているんだろうか、とか。このサイトのデザインは誰が考えているんだろうか、とか。そういう小さな疑問がひとつの興味となる。そして興味を持ったら実際に検索してみることだ。
するとどんな人が、どういう風に、どんなことをして、何ができているのかを知ることになる。
そこで面白そうだな、と思えたことがあなたの志望動機に繋がるというわけである。
すなわち、順序が前後するけれど適当に会社を選ぶよりは、常日頃から興味を持って街を歩くことが将来的に自分をその道に引っ張ってくれる道しるべとなり、本当に働きたいと思う会社に出会えることになる。心当たりのある人は今一度深く考えてほしい。本当に自分が興味あることとは何なのか。それは自分から探していかなくてはならないのである。
次に、働きたい理由がわかっていてもそれを上手く文章にできない人のために記しておきたい。
文章を書く前に知っておいてほしいことは、履歴書を書くとき、ほとんどの履歴書には志望動機を書くためのスペースがある。そのスペースは当たり前だができるだけ埋めておくことが大事だ。どの程度埋めておくべきかというと、8割以上は埋めておいた方がいい。
5W1H(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)を入れるとわかりやすい文章になる上に、一緒に仕事をしていくかもしれない人物がこういう文章が書けるというアピールにもなる。
そして軸となる「この会社に入りたい理由」を2~3つ挙げられるとベストである。
さらにそこで、この会社のどこに惹かれたのか。そしてどこの部署で働いてみたいと思うのか。より具体的に書いておこう。実体験を書いていくのもひとつの手である。たとえば過去の経歴からこんなことに興味がわいて、それが実践できる御社を希望した、など、リアリティが増す文章は相手も納得しやすい。
どんな経験でもプラスに考えていけば案外役に立つことがある。
ところで、上記でも書いたが、志望動機を考えるにあたって、会社理念をきちんと把握しておくことはとても重要なことである。会社理念はたいがいその会社のホームページか、パンフレットなどに書いてある。もし書いていなかったら、その会社のトップの言葉などを読んでみよう。
会社のトップは会社のことをどう思っているのか、どんな会社に育ってほしいのか。どんな方向性を考えているのかじっくり読んでみる。そしてそこから会社が求めている人材を想像する。
想像して自分を当てはめていく作業はとても重要だ。
もっと言うならば、自分を当てはめていくときに、自分の自己PRを重ねて考えてほしい。
自分はどういう性格で、何が得意なのか、何ができるのか。
自己分析をすることは就職活動をしていく上で大切なものなので、自分の良さを探しておくと後が楽だ。
心理学で習ったことだが、人間の心には4つの窓がある。
1つ目は自分も他人も知っている部分。
2つ目は、自分は知っているけれど他人は知らない部分。
3つ目は、自分は知らないけど他人が知っている部分。
4つ目は自分も他人も知らない部分。
いずれにせよどれも自分の顔である。もし自分の良さがわからない人がいたら、家族や友人に尋ねてみると、案外自分の知らなかった自分の良さが返ってくるかもしれない。
就職活動は個人戦であり、いかに企業側に自分をアピールして目を引いてもらうかである。
見た目はもちろん、中身である志望動機と自己PRは強力な武器にするべきだ。
株式会社SGI
キャリアカウンセラー 澤田知輝
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