自立ってなんだろう?
『20歳になったら親から自立しなければいけない』
とか、
『いつまでも人に頼りきりで自立する気がない』
だとか、私たちは“自立”という言葉で精神の成熟を表しがちな気がします。
“自立=一人前”という認識が誰しもにあると思うのですが、正直私は“一人前”の定義も“大人”という定義もよくわかりません。
ある年齢に達したら、社会に出たら一人前なのか?大人になるという事なのか?
そしてたどり着いたのが“自立”という概念でした。経済的な自立や精神面での自立など人の成長過程を表すものとして使われがちな言葉ですが、私たちが使っている意味こそ正しいものなのか、他にも意味を持つ言葉なのか気になったのでまとめていこうと思います。
◎“自立”とは、依存からの卒業という意味ではない
自立は直接的な意味で言うと【自分の足で立ち、歩いていく】ということになりますが、それが依存と同義なのかと疑問に感じるところです。なぜなら、文字通りの意味を守って誰の力も借りずに生きていくことは不可能だからです。
人が生きていくには、何かしら誰かしらの力を借りて成り立っているものなので、まったく1人きりで生きていくことを“自立”と解釈するのは違う気がしますね。
第三者の手助けを求めることが自立できていないという事にはならないと言えます。
◎“自分の足で立ち、歩ける”様になること
よく聞く言葉で【地に足をつけて】と言いますよね。
簡潔に言えば【自分の行動に責任を持ち、その対価として自由を得る】ということ。
自立している人というのは、自身の行動に最後まで責任を持つことが出来る人を指します。人は時にミスをしますし、間違いだって犯します。大事なのは間違えないことではなく、間違えた後に周りからの指摘を受け止め自分で解決することです。
言い訳や誤魔化しをして現状から逃げず、責任ある行動をとれるから信頼を得て自由を得られるのです。
◎親元での“自由”=“自立”ではない
先ほど『自由を得られるようになってからが自立』という事をお話しましたが、例外もあります。それは保護者に守られた生活を送りながらの自由な振る舞いです。
思い出してほしいのですが、自由は自由でも自分の責任ある行動から得られる自由こそ自立の一要素なのであり、お金も住む場所も食べるものも保護者の収入で与えられている内は完全な自立とは言い切れません。
なので、“支えらえている”という事を常に自覚し自由過ぎる行いは考え直しましょう。守られている立場の間は本当の自由は求めるべきではありません。
この言葉の意味を心から理解できた時こそ、自立していると言えるのかもしれません。
以上が“自立”についての主な意味合いを持つものたちでした。
そして今から“自立している”とされる行動をいくつか挙げてみますので、見てみて下さい。
①自分の力で収入を得ている
②身の回りのことが1人で出来る(家事など)
③一人暮らしをしている
ポピュラーなところで言うとこの3つでしょうか。
確かにどれも自立しているという印象を持ちますし、これが出来るようになれば人として一人前みたいな暗黙の了解がありますよね。
私もついこの間までは書いてある条件が満たせることが大人といえる条件だと思っていました。でも、今回自立についていろんな情報を集めるうちに、上の様な事が出来るからと言って自立することにはならないのではないかとも思うようになってきたんです。
実際に私も一人暮らしをして家事をこなしていますが、それによって自分が自立している大人とは思っていません。
人から見れば自分だけで生活しているだけで立派な自立に見えるでしょうし、実際友人にも周りの方からも褒めてもらう機会は多いです。ですが私自身はずっと親に守られている自覚がありますし、すべての自分の行動に責任を持って行動できていますか?と聞かれてしまったら、即答はできません。
自分のしたことが間違えていたらその場しのぎで逃げ切ったり、なんとか誤魔化そうとしたり、どうにもならなければ親に泣きつくのだってしょっちゅうあります。
これまでまとめてきた“自立”の定義によると、私は自立もしていなければ一人前にもなれていない、なんなら大人になりきれてすらいない可能性もあります。
でも、それでいいのかもしれません。不完全だからこそ、完全になりたくて努力することが出来ると思っていますから。だって、仕事をして収入を得ただけで自立した大人と捉えられてしまっては困ります。一人暮らしをしていると言っても、人が思い描く優雅な生活が出来ているとは限らないじゃないですか。
何か一つの条件をクリアしただけで自立だとは思えませんし、むしろこの世に自立できている大人がいるのかも怪しいですよね。自分のすべてに責任を持ってこそ大人だとされるなら、申し訳ないですが大人になり切れていない大人がわんさかいます。当然、私を含めて。
だから、あまり“自立する”ことに拘って重きを置かなくていいのではないでしょうか。
人に頼りきって寄りかかりきりな人生は推奨しませんが、自分なりの自立の正解を見つけられたらそれで良しとしましょう。
人に迷惑をかけた分だけ、人の迷惑を受け止められるようになれた人が“大人”とされる世の中であれたら、本当の意味で“自立”している大人たちが増える未来も見えてきますね。
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