【ついに日本も終身雇用制度の終了?】国内トップ経営者が言った発言の真意とは?
ついに終身雇用が終わる?
2019年の事だ。「終身雇用の維持は難しい」とトヨタ自動車の豊田社長が明言した。その言葉に大企業の代表取締役たちも次々に頷いたのではなかろうか。
近年、終身雇用は崩壊したと言われている。もちろんまだ終身雇用を用いているぞいう所はあれど、それらがなくなるのはもはや時間の問題だと思われる。なぜか。この経済状況の悪化ではそうせざるを得ないからだ。
そもそも終身雇用とは「定年まで雇うことを前提とした雇い方」で、その歴史は大正末期まで遡る。1900年代から1910年代の話だ。熟練工(ある技能に熟練している工員)と呼ばれる人たちは、その技術を武器に転職し放題だった。今自分が勤めている職場よりもっと待遇のいい所に行き、いい暮らしをする。それは全く悪くない話だし、人として、自分の腕を正当に買ってくれる所に行くのは当然のように感じる。それで困るのはもちろん、いい待遇を用意できなかった企業側である。
企業側がなぜ困るのか。それは優れた技術を持つ者がチームから抜けると下の者の技術が育たないからである。会社から熟練工がいなくなることでその優れた技術が伝承しない。それは会社が成長しないと同義語だ。そういう悪循環があったため、それを防ぐために企業側は定期昇給制度や退職金制度を導入し始めるしかなかった。次第に年功序列も意識し始めて、今の終身雇用の原型ができたと言われている。
そうして長い間終身雇用というものが根強く残り、一度企業に入って定年まで働けばそれなりの役職も与えられ、退職金も貰える。それが一般的となった。
しかしそれも昔の話となってしまった。今はそうでないのだ。豊田社長が明言したように今では退職金を貰えるところを探す方が難しいし、令和に入る前から会社の低成長が多く見られ毎年昇給していく所も少ない。それどころか経営困難で苦肉の策とも言うべきか早期退職を勧める企業だってある。
つまり時代が回って、そういう昇給制度もないものだから、ある程度技術を磨いたものはよりよい職場を求めて転職する。腕がいいものを必要とする姿勢だけは昔と変わらない。そうなると技術者の去られた会社としては損害以外の言葉が見つからないし、ますます経営困難になる。つまり自分に何かしらの技術がないと会社の中でも生き残れない時代になってきているのだ。
さらにいうと、転職で必要になってくるのは自分を売り込む技術があるかどうかということになるのだ。
ところで自分のスキルを最短で取得できる仕事と言えば、専門職が思いつく。
美容系や医療系、服飾系などはそれに当たる。
新卒の就職率が下がれば下がるほど、次の年には自分が食べていけるだけのスキルを身に着けようとそういった専門職の学校の倍率が高くなる。国家資格、技能というものはいざというときに役立つと考えるからだ。社会人を一回やめて学校に入り直す人も少なくない。
しかしだ。これだけ時代が変わってしまっては、将来的にそういった専門職でさえ、すべてAIロボットに任せてしまおうという時代が来るだろう。
そうなればいくら自分に資格や技能があったとしても、仕事をロボットに取られてしまうのも時間の問題だ。本当に限られた優秀な人間でないとその専門職の中を生き残れないかもしれない。
会社に入っても定年まで働ける補償がない。身に着けた技術、技能があっても近い将来ロボットに取られてしまうかもしれない。では何が自分を救ってくれるというのか。
答えは自分で考えるしかない。
最近新聞を読んでいる者が減っているという。では何で情報を得ているのかと言えばSNSのネットニュースからだ。嘘の情報も多いとわかっているのに朝起きたらSNSを覗く。世間で何が騒がれているか調べる。
ユーチューバーと呼ばれる人がいる。動画作成を個人で行って評価を稼ぐというしくみだ。
これだけSNSが普及したのだから、そういった動画が楽しまれるのは当たり前のことだ。大人はもちろん最近の小学生、幼稚園児までもがユーチューブを見て動画を楽しんでいる。しかもユーチューバーに年齢は関係ない。子どものユーチューバーが当然のようにいる。何の資格も必要ない。ただ己のアイデアとトーク、情報をいかに面白おかしく最後まで見てもらえるか考える。そこには国境さえない。大勢の中から自分の動画だけを見てもらう術を身に着けていくのだ。そこには夢もある。
小学生の将来なりたい職業ナンバーワンが医者とか公務員ではなくて、ユーチューバーになった。つまり、子どもたちが一番関心を持っているのがそういう生き方となっているのだ。
自分で創意工夫をしながらひとつの作品を作ってお金を稼ぐという生き方には、ある種の柔軟性があるように感じられる。つまり勉強して就職して淡々と仕事をこなすだけではダメなのである。待っているだけではダメなのである。自分で考えて時代に合わせていく柔軟性がなければ。私はそこに今後を生き抜いていく答えが隠されているように思えてならない。
株式会社SGI
代表取締役 高本佳明
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